600pを超える村上春樹の新作。
とはいえ、1980年に書いたものを、2022年12月に完成させた大著である。
1部は、正直読みづらかった。行きつ戻りつ、「もう挫折かな?」と思ったほど。
登場人物が少ない、ストーリーがじれったい、等々、単行本を読むとき、疾走感を求める私の読書にはそぐわないリズムだったのだ。
しかし我慢して我慢して、後半に入ると、共感できる人物も登場し、読み進められた。
もし近いうちに、村上春樹がノーベル文学賞を獲るようなことがあり、これがもっと読まれたとき、高校生以下は要注意かもしれない。文学には「R指定」はないから。
文章に点がつけられているのも特徴的。ひっかかりポイントです。
文中に登場するジャズの名曲を聴きながら書いています。
作者がジャズバーを経営しながら小説を書いていた1980年前後を顧みながら。