leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『臨床の砦』夏川草介

 

 長野で現役医師としてコロナに立ち向かう筆者。

「ドキュメント小説」と帯にもあったが、1月中旬まで筆者が体感したコロナとの闘いが描かれている。

一年前、クルーズ船の乗客で陽性判定を受けた患者が、長野にも運ばれてきた。

実際に、以前の上司でもあった。そのことはどのように描かれているのか、関心もあった。そこは淡々と描かれていたことに安堵。

筆者が書いた「神様のカルテ」は未読だし、ましてや、櫻井翔くんの映画も観ていない。それでも現役医師の心情が余すところなく表現されており、一見冷静に見える対応が、実は戸惑いのなせる業というところが心憎い。

ホームの母にも早く読ませたい。コロナ患者の診察や見舞いに活用されるiPadの現物を観たことがないかもしれないが。

『人生のピース』朝比奈あすか

 

 書評に取り上げられていたので、Amazonで購読。

「婚活を通して浮かびあがる、30代女子のリアル」と帯にある。表紙にもあるように、中高を女子校で過ごした3人の女性が主に描かれる。

お見合い、不倫、結婚相談所、ダメ男との同居、マンション購入。

どれも「あるある」の内容ばかり。

筆者の作品は初めて目にしたが、「SATC」(SEX AND THE CITY)日本版の趣きもあり。

『愛の不時着』


www.youtube.com

韓流ドラマ『愛の不時着』。

コロナ禍のステイホームで話題となっていたが、今までは、少々遠巻きに。

しかし今、本格的なステイホームを過ごす中、Netflixに加入して、これだけ見て退会すればよいのだ。と6月1日に加入し、1時間半×16話を、1.5倍速にして視聴。今日、最終話を観終わった。笑えて、泣けて、これははまります。

韓国の財閥令嬢が、ハンググライダーの最中に悪天候に見舞われ、北朝鮮に降り立つ。

まっとうに考えれば、発見→即射殺 なのでしょうが、そこに運命の人が助けてくれて、同じ部隊の人、村の人、恋敵までも巻き込んで、「北朝鮮ライフ」が始まる。

北朝鮮の暮らしを脱北者からインタビューして、ロケを敢行したそうで。

後にヒロインだけ韓国に帰ることができるのだが、彼女を巡る殺人を阻止するため、愛する北朝鮮兵士(部下までも)が、38度線を越えて韓国に向かう。

韓国編では、自動販売機やテレビゲームのエピソードが面白かった。部下4人が可愛い。

韓国の「チャラ男」も出てくるのだが、恋をしてだんだんとまっとうになるのも好ましい。純粋な二人の関係に、障壁はだんだんと崩れていく。

CMもないし、好きな時間に観られるし、地上波のドラマが観られなくなるのは必然。

さて、Netflix、とりあえず今月はどうしよう???

 

最後に、ここにYouTubeを貼り付けておきましたが、全編を観ようと思っている人は、観ない方がよいかと。私も何も知識を入れずに見始めましたから。

『ずっとあなたが好きでした』歌野正午

 

 デビュー作「葉桜の頃に君を想うということ」があまりに印象的で、がっかりしたくなくて、筆者の作品からしばらく遠ざかっていましたが、図書館で予約できたので、単行本で。

588ページもあるのですが、短編(いろいろな媒体で発表)なので、読みやすい。

書き下ろしの「錦の袋はタイムカプセル」という一編は、「葉桜」を彷彿とさせるそれまでの「回収」にあたるのだろうが、ちょっと読みづらかった。

それよりその後にあった「散る花、咲く花」が、身近な介護問題だったりして、ここまで読み切った自分へのご褒美のようで。

『正しい女たち』千早 茜

 

正しい女たち (文春文庫 ち 8-4)

正しい女たち (文春文庫 ち 8-4)

  • 作者:千早 茜
  • 発売日: 2021/05/07
  • メディア: 文庫
 

 新聞の書評にあり、ポチっと購読。

私立女子高の入学式で出会う4人。

だって最初が肝心。背伸びをして高い子と仲良くしたら後々しんどいし、だからといって地味な子とつるんだら派手な子たちのいじめの標的にされる

と「普通」の4人はつるむ。

高校時代は校舎の裏にあった空き家(温室)で つるみ、20代、30代と隠し事なくさらけ出しあってきた。

でも、4人が揃って人生というレースを同じ速度で走るなんて、、、ありえない。

「正しい人生」って何だろう?

自分の弱さは自分が等身大に抱きしめていればそれでよい。

 

 

『鍵のない夢を見る』辻村深月

 

鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見る (文春文庫)

 

 ブックオフオンラインで200円の文庫本をまとめ買いした中の一冊。

2012年に直木賞を受賞したもので、ほぼ10年後に彼女の著作を初めて手にした。

地方都市で「生きづらさを感じる女性」が主人公の短編が5つ。

巻末には、同郷の直木賞選者、林真理子との対談「どこでもない”ここ”で生きる」が解説の代わりに掲載されている。

『芹葉大学の夢と殺人』は、大学で同級生となったカップルが迎える悲しい結末。

「素敵な横顔」「清潔」「夢」そんな相手に翻弄されても、相手を繋ぎ止めておきたいと思う主人公。

『君本家の誘拐』は、ワンオペのママが待ち望んだ赤ちゃんに翻弄される。

心身共に疲れ果て、ここまで追い込まれてしまうとは。

コロナの状況下も、筆者ならどう描くのだろうか?

『その言葉もう使われていませんよ』日本語倶楽部編

 図書館で予約し、昨日借りてきたものを、パラパラと読了。

いつのまにか「死語」となっている言葉を取り上げ、固くなった頭を解きほぐしてくれる一冊。

「マン(男)」がつく職業名…今では言い換えるのが世界的な標準ルール

「カメラマン」も、今は「フォトグラファー」か「写真家」に言い換えられています。

 

「僕はカメラマンではない。写真家です」と言っていた人がいた。

私は、その方の経歴からも集合写真を撮るようなカメラマンではなく、芸術性の高さを認めてほしいという主張だと思っていた。でもその方にとっては「今どき、カメラマンなんて言われたくない。あなたは不勉強です」という観点だったのかもしれない。

 

ポリティカル・コレクトネス(差別や偏見を含まない言葉や用語を使用するという考え方)がここでも紹介されているのですが、本書で紹介されている「ホテルマン」は「ホテリエ(フランス語由来)」に、「マンホール」は「メンテナンスホール」に置き換わるのは、当分先ではないだろうか。