leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『ものいわぬ農民』大牟羅良

ものいわぬ農民 (岩波新書 青版 301) 作者:大牟羅 良 岩波書店 Amazon 図書館で予約して。何で予約したか忘れてしまったので、ググったら、朝ドラ「ブギウギ」の主演趣里さんがインタビューに答え、夫役の水上恒司さんが待ち時間に読んでいたと発言し、この…

『実録 マリウポリの20日間』

2022年2月、ロシアがマリウポリに侵攻した。AP通信の記者が、その前日から現地に入り、カメラを回し続けた。20日間の貴重な記録が、長編ドキュメンタリーとして公開され、2024年3月のアカデミー賞も獲得した。 病院に担ぎ込まれる人、逃げ惑う人、命尽きる人…

『スプートニクの恋人』(再読)村上春樹

スプートニクの恋人 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』という筆者へのインタビュー集に、1999年島森路子さんが聞き手となって『スプートニクの恋人』について語っている箇所があり、自分の読みの浅さを実…

『ラオスにいったい何があると言うんですか?』村上春樹

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 (文春文庫 む 5-15) 作者:村上 春樹 文藝春秋 Amazon 1995年のボストンでのランニング生活から、2016年の熊本再訪までを1冊にした紀行文集。2018年に文庫本化。 アイスランドの温泉、ニューヨークのジャズ…

『恋しくて』村上春樹編訳

恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES 中央公論新社 Amazon 村上春樹を読む一環で、プックオフオンラインで入手。 筆者は、文章修業の一環として、翻訳を捉えている向きもあるのかもしれない。 エッジの効いた文章のジャブ、本文に則しているのか、人名表記…

『破れ星、燃えた』倉本聰

破れ星、燃えた 作者:倉本 聰 幻冬舎 Amazon 昨日の午前中、図書館で予約してあった本書を借り受け、サクサクと読了。 サンケイスポーツ紙に2022年7月~23年2月にかけて連載された自叙伝。 会社を辞め、独立する場面から始まり、テレビや映画の脚本家として…

『アイヴスを聴いてごらんよ』三宅榛名

先輩のブログで高評価だったので、図書館で借りて拝読。 作曲家の筆者が、10年ほど現代作曲家にインタビューしたり、音楽系雑誌に掲載していた記事をまとめ、1977年に発行されたもの。 先輩のブログでは、「アイヴスを聴いてごらんよ」を取り上げていたが、…

『ジェンダー・クライム』天童荒太

ジェンダー・クライム (文春e-book) 作者:天童 荒太 文藝春秋 Amazon 図書館で予約していた本の順番が回ってきたので。 2022年12月からオール讀物に連載され、1月に単行本として出版されたもの。 ということは、松本人志の一連の報道前に書かれたものか。そ…

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J.D.サリンジャー 村上春樹訳

キャッチャ-・イン・ザ・ライ 作者:J.D. サリンジャー 白水社 Amazon 積ん読になっていた1冊。村上春樹の訳なので、この機会に挑戦したが、何度も挫折しそうになった。文字量が多かったのと、ドラマ的なストーリーがないことが一番。 学校を退学処分になった…

『村上T』村上春樹

村上T (新潮文庫 む 5-45) 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 母の通院の付き添いにちょうどよいと思えたので。 雑誌『ポパイ』で毎回、3枚の所蔵Tシャツを紹介。それにまつわるエッセイを連載。 特筆しておきたいのは、 プリンストン大学で名誉博士号をもらっ…

『村上朝日堂』村上春樹

村上朝日堂(新潮文庫) 作者:村上春樹,安西水丸 新潮社 Amazon 安西水丸氏の挿絵で、日刊アルバイトニュースに連載されたエッセイ集。 1982年~84年に連載、84年7月に単行本化、87年に文庫化された。 後に週刊朝日を定期購読していた私は、本書も、朝日新聞…

『象工場のハッピーエンド』村上春樹 安西水丸

象工場のハッピーエンド (新潮文庫) 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 日曜に、Bリーグの試合(横浜の河村が出ていたことと、横須賀出身の田中力が久しぶりに登場し、最後に大活躍!)そして大相撲をテレビで観ながら、パラパラと読み進める。 巻末の対談を観る…

『辺境・近境』村上春樹

辺境・近境(新潮文庫) 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 雑誌の連載のために、本人とカメラマンの旅費を提供してもらい、メキシコやアメリカ大陸横断、村上春樹の著書に何回か取り上げられているノモンハン、近場では、讃岐のうどん巡り、大学を入るまで過ご…

『図書館奇譚』村上春樹

図書館奇譚 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon ドイツ人イラストレーター、カット・メンシックのイラストを生かし、4回目になる書き換えを行なった後に2014年に刊行された本書。 日本人の美しいMANGAにありそうな絵だが、ダークなイラストが、黒い装丁に生える。…

『うずまき猫のみつけかた』村上春樹

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹をできるだけ読んでみる…。の一環。 1993年から95年にかけての、アメリカのケンブリッジ滞在記。 あとがきにあるように、1994年春から95年秋にかけて「SINRA…

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(字幕/吹替) ミシェル・ヨー Amazon アカデミー授賞式があるこの時期、昨年の受賞作品を、WOWOWでオンエアしてくれる。で、これは、字幕版だけでは満足できず、吹き替え版も拝見。 コインランドリーを…

映画『ザ・ホエール』

ザ・ホエール(字幕版) ブレンダン・フレイザー Amazon 2023年アカデミー主演男優賞を、本作の主人公ブレンダン・フレイザーが受賞した作品。WOWOWで視聴。 275kgの巨漢を持て余し、単身で引きこもり、オンライン教授として自分のカメラはつけずに指導にあ…

『村上ラヂオ』村上春樹

村上ラヂオ(新潮文庫) 作者:村上春樹,大橋歩 新潮社 Amazon 雑誌ananに、2000年頃、連載されていたエッセイ集。あとがきで、大橋歩さんが、震えるように「村上さんのエッセイに挿絵や版画を使っていただくことのうれしさ」を綴っている。 連載の頃は、アン…

『影老日記』『江之浦奇譚』杉本博司

杉本博司自伝 影老日記 作者:杉本 博司 新潮社 Amazon 江之浦奇譚 作者:杉本 博司 岩波書店 Amazon 高校の同級生に誘われ、初めて江之浦測候所に行くまで、杉本博司さんのことは存じ上げなかった。「測候所?」「杉本博司?」と何も知らぬまま、小田原近くの…

『親愛なるレニー』吉原真里

親愛なるレニー: レナード・バーンスタインと戦後日本の物語 作者:吉原 真里 アルテスパブリッシング Amazon 先輩のブログを拝見して、読みたくなり、図書館で予約。昨日受け取り、今日夕方には読了。改めて先輩のブログを読み直し、私も、下手にあらすじは…

『やがて哀しき外国語』村上春樹

やがて哀しき外国語 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 短編のエッセイ集。読みやすかった。 1991年から二年間、アメリカのニュージャージー州プリンストンに筆者は住んでいた。 本書は当時の記録で、文庫本になったのは、1997年。 「ヒエラルキーの…

『久米宏です。』久米宏

久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった (朝日文庫) 作者:久米 宏 朝日新聞出版 Amazon 2017年に単行本として出版されたものが、2024年10月に文庫本となり、それを図書館で予約して拝読。 1970年代、土曜の午後TBSラジオで、「男が出るか…

『街とその不確かな壁』村上春樹(再読)

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 昨年の誕生日に、読んでいたんだ。その時の読書のあまりのふがいなさに、リベンジしてみた。今回は、読書環境としては恵まれており、1200枚の長編に没頭することができた。 16歳と17歳の初々しいカップル。…

『まく子』西加奈子

まく子 (福音館文庫) 作者:西 加奈子 株式会社 福音館書店 Amazon 図書館から予約した本だったので、さっさと読むことに。 子どもから大人になるための「通過儀礼」。セイリ、セイツウ、親のウワキ…。 そんなことを乗り越えて、祭りのかけ声「サーイセ」の意…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(再々読)村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 1ヶ月前に読んだはずなのに、乱読していたせいか、さっぱり思い出せない。 この本をオススメする文章があり、本気で一日で読了。 そうなんだ。この読書スピードでない…

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫 む 5-10) 作者:村上 春樹 文藝春秋 Amazon 長編を取り組む決心がつかず、「村上春樹とは何者か?」という疑問に迫れるような読みやすいものに逃亡中。 本書は2007年に単行本として出版された、「ランニン…

『職業としての小説家』村上春樹

職業としての小説家(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon テレビには出ず、インタビューも記事になることはない。 海外で暮らすことが多い。そして誤解はどんどん多くなる。 そんな状況を打破するために、本書は書かれたのだろう。 執筆活動中の暮らし…

『東京奇譚集』村上春樹

東京奇譚集(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 昨日、母の病院の付き添いの往復で読もうと鞄に入れ、途中になり、今日読了。 平成17年に刊行された短編集。 「偶然」や「ありえない奇跡」がもたらしたいくつかの邂逅。 「偶然の旅人」や「ハナレイ・…

『偉大なる、しゅららぼん』万城目学(再読)

偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫) 作者:万城目学 集英社 Amazon 2011年8月に読んでいました。「しゅららぼん」の正体だけ、うっすらと記憶に残っていたのですが、改めて読み、物語の舞台が琵琶湖をめぐってのお家騒動。しかも現代版。面白かった! …

『ねじまき鳥クロニクル 1~3』村上春樹

ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon まだまだここに書けるほどには消化していないのだが、書いておかないと、次に進めないので。 ゆっくり読んでいたら、ある登場人物が再登場した際に「誰だっけ?」と…