leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『コメンテーター』奥田英朗

 

奥田英朗の新刊。5つの短編で構成され、どれも精神科医の伊良部とマユミが登場し、こじれた患者や世の中を突き抜ける!

ワイドショーのコメンテーターとして、精神科医伊良部が抜擢された。その発言はもう少しで放送事故かと思われたり、看護師姿で挑発するマユミの行動が意外な高評価を受け、テレビマンたちは右往左往する。

 

実際、成田悠輔さんという評論家が「高齢者は老害化する前に集団切腹すればいい」という発言をして、問題になったりしているが、今日もテレビに出ていた。観なかったけど。

そんな中で、猿之助さん親子の自殺未遂もあった。私にも老母がホームにおり、他人事ではない。自分も高齢者に足を踏み入れているのかもしれないし。

映画「プラン75」も、「プラン85」だったら、もっと現実的に思えた。

 

「ラジオ体操第2」も痛快だった。誰しも怒りを貯めているのかもしれない。長野県中野市の事件のように、「悪口を言われているかもしれない」「撃ち殺されるかもしれない」との思い込みで、猟銃の引き金を引くのであれば、犯人も「ラジオ体操第2」を踊ればよかったのに。

 

「パレード」は、ボッチを恐れている若者の話。これも中野市の事件の犯人とつながる。