leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『村上ラヂオ3』村上春樹

 

どうせなら「3」まで読んでしまおう。と、大谷のMLB中継を横目に、パラパラと読んでしまいました。

TOKYO FMで、「村上RADIO」という番組が28日と29日の連日あり、オンタイムではないが、らじれこで聴くことができる。

どちらも、テキストデータで確認しながら、語りを聴くという贅沢な体験ができる。

特に29日の放送は、小澤征爾さんとの思い出なので、オススメ。

で、この「3」にも小澤さんが村上さんのお宅に訪問し「ブルー・リボン・ビール」というアメリカのビールを楽しんだという一節があった。

普段着ですし屋に行ったら、支払える客かどうか疑われたり、旅館で1泊目には小さな部屋に通されたが2泊目は「先生、失礼しました」と豪華な部屋に変更されたり、なかなか「文豪」とはほど遠い体験をされている。

次のエピソードは、「3」のp.216に出てくる。

これを読んだとき、音声で聴いたばかりのエピソードだったので、ちょっとびっくりした。

学生時代の夏休み、1人でリュックと寝袋を背負って、能登半島を歩いて回ったことがあります。とても暑い夏で、歩くのは大変だったけど、でも道々でいろんな楽しい思いをしました。出会った人もみんな本当に親切でした。ある日の午後、田舎道を歩いていたら、畑で働いていたおじさんに呼び止められて、「おにいさん、これ食べていきな」と、もぎたてのトマトをいくつか手渡されました。「ありがとうございます」と言って、その場でトマトをひとつ丸かじりで食べたのですが、その美味しかったこと。暑さのせいもあるし、喉が渇いていたこともあるし、もぎたてだったこともあるんでしょうが、そんな美味しいトマトを食べたのは生まれて初めてのことでした。ジューシーで、甘くって……。能登半島というと、今でもその素敵なトマトの味を思い出します。

村上RADIO|村上春樹「地震で傷ついた地域が1日も早く立ち直って、元のようになることを祈っています」能登半島地震・被災地への思いを語る|AuDee(オーディー) | 音声コンテンツプラットフォーム

 

まるで「村上オタク」となっているかのような。