村上春樹を読み進めていて、Amazonで買い求めたものをようやく読了。
クラシックは素人(すべての音楽のジャンルがそうだが…)、引用されている曲を、できるだけ紹介されているものに近い形で、Spotifyで拾っていき、みつかった曲にはマーカー(こすると消える)で線を引いていったら、思いのほか時間がかかってしまった。
小澤征爾さんは、娘の征良さんを通じて、村上春樹と懇意になり、話しをするにつれ、彼の「クラシックレコード愛」に気づかされ、6回に渡っての対談が、この1冊になった。
小澤征爾さんも忘れているような、昔の録音の話しに、記憶が蘇り、村上さんだから奥深い話しを展開している。
村上さんは、演奏家ではないので、楽譜をどこまで読めるのかも怪しいのだが、指揮者と演奏家とのアイコンタクトや管楽器の息継ぎなど、貴重な会話が繰り広げられている。
小澤征爾がレナード・バーンスタインに認められ、指揮者として頭角を現す頃、彼は英語がまだまだ堪能ではなかったそうで、バーンスタインがつぶやく内容を理解できなかったことが残念だと語っている。本当に…。
しかし小澤さんはこうも語っている。
たとえ言葉がろくにできなくても、外国でオーケストラに自分の意思を、自分のやりたいことをしっかり伝えられたのは、やはりそれだけの指揮の技術ができていたからですよね。(p.208)
合奏の機会は、高校の吹奏楽部の時のみだったが、魅力的な学生・OB指揮者、東フィルの奏者など、とても恵まれたひとときだった。指揮者からそれぞれの曲への意思がびんびんと伝わったのだ。
もっとクラシックや小澤さんの指揮の良さがわかるようになってから、再読しないと。