生誕100年を迎えた安部公房の遺作(未完)が、フロッピーディスクから発見され、新潮文庫版となって発刊されたので、図書館で予約して拝読。
安部公房の作品は、映画で岸田今日子主演の『砂の女』くらいしか記憶がないのだが、文庫本にしては文字が大きいこともあり、スラスラと読めてしまった。未完なので、一部空白の行があったり、結末は想像するしかないのだが。
最後に近づくにつれ、非現実的な書き散らかしているかのような表記が見受けられるのだが、これらのディテールがどんなふうに結びついたのかと思うと、不条理な世界がまさしく「飛び回る」。