leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『村上朝日堂』村上春樹

 

安西水丸氏の挿絵で、日刊アルバイトニュースに連載されたエッセイ集。

1982年~84年に連載、84年7月に単行本化、87年に文庫化された。

後に週刊朝日を定期購読していた私は、本書も、朝日新聞系列で連載されたと思っていたが、まさかの「日刊アルバイトニュース」。朝日のネーミングは偶然なのだとか。

どうでもいいことだな~と思える文章が続き、私は、大谷さんが出ているドジャースのオープン戦と日本航空石川がようやく迎えた甲子園の初戦を二画面テレビで観ながら、音は村上春樹推薦のクラシックを聴くといういい加減さ。

時代を感じさせたのは、「地下鉄銀座線の暗闇」

銀座線の列車は駅に到着する直前に一秒か二秒電灯が消えて、車内がまっ暗になる。

(中略)

でもその時僕がいちばんびっくりしたことは、他の乗客が毛ほども驚いたり、怯えたり、動揺したりしていないということだった。

うーん、当時、私も初めて銀座線に乗ったときは、「何が起こったんだろう?」と戸惑った覚えがある。渋谷にもうすぐ到着というときに限って。

銀座と渋谷という都市をつないでいるんだから、一瞬でもランタンみたいな光に頼るのもどうかと思えた。

村上朝日堂 - Wikipedia