まとめてブックオフオンラインで買った文庫本の中の一冊。
イースト・ハンプトン、瀬戸内海の無人島・からす島、メキシコ、讃岐、ノモンハン、アメリカ大陸横断、神戸をカメラマンと巡った紀行文。写真篇もあるらしい。
どれも一筋縄ではいかない、それなりの紆余曲折があったようだが、中でも、ノモンハンで味わった「振動」の記述は迫るものがある。
筆者は、小学生の頃から、1939年に起きたノモンハン戦争(事件)の写真を目にし、旅の4年ほど前に滞在したプリンストン大学の図書室で、ノモンハン戦争に関する日本語の書籍を多く目にし、「ねじまき鳥クロニクル」で多くのページを割いて、ノモンハンと満州のことをとりあげた。そして、94年6月に、雑誌「マルコポーロ」で現地への旅行を提案され、カメラマンと共に赴いた。
そんな筆者だったので、「とりつかれる」素地は十分だったのではないか。