この著者を知ったのは、数年前、高校入試対策の国語の問題文の選定のため、乱読をしていた頃。地方の高校入試の現代文に、著者の作品が取り上げられていた。
で、2017年に単行本として刊行されたこの作品が、2021年12月に文庫として発行され、図書館で予約し、読んでみました。
「ウズタマ」の由来は、表紙写真で推測がつきそうですが、全く予備知識もないまま、導入部分は時系列が前後するので、登場人物も多く、読みづらかった。
しかし、佳境になると、主人公のナイーブな言動に理解が及ぶようになり、加害者の心情にも思い至るようになった。
終盤のショッピングモールでのクリスマスの出来事は、ちょっと出来過ぎの偶然の趣き。「感涙必至」とカバーに書いてありますが、そこまでは…。
「家事手伝いのアルバイト」。とても奇妙に思えたが、この家庭にとっては、救世主のような存在。事件はなぜ正当防衛にならなかったのだろう?