leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『臨床の砦』夏川草介

 

 長野で現役医師としてコロナに立ち向かう筆者。

「ドキュメント小説」と帯にもあったが、1月中旬まで筆者が体感したコロナとの闘いが描かれている。

一年前、クルーズ船の乗客で陽性判定を受けた患者が、長野にも運ばれてきた。

実際に、以前の上司でもあった。そのことはどのように描かれているのか、関心もあった。そこは淡々と描かれていたことに安堵。

筆者が書いた「神様のカルテ」は未読だし、ましてや、櫻井翔くんの映画も観ていない。それでも現役医師の心情が余すところなく表現されており、一見冷静に見える対応が、実は戸惑いのなせる業というところが心憎い。

ホームの母にも早く読ませたい。コロナ患者の診察や見舞いに活用されるiPadの現物を観たことがないかもしれないが。