コロナ禍で、生活保護を受けなければならなくなった多くの人々。
「生活保護だけは受けたくない」「家族に知られるくらいなら、餓死したほうがマシ」
問答無用の扶養照会、職員があっせんする「無料定額宿泊所」の実態、ワンルームに男女8名が暮らす脱法ドミトリー、労災すら認められない雇用の崩壊、SNSヤミ金、コロナ禍の女性の貧困と性風俗…
「反貧困ネットワーク」事務局長に同行し、現場取材を重ねた労作。
誰もが、ある日、突然どん底まで転げ落ちる…
たとえコロナが終息したとしても、SOSの声が小さくなるとは思えない。
何より重労働に疲弊するケースワーカーたちが、生活保護や給付金で立て直そうとしている市民の再出発の背中を積極的に後押しするマインドではなく、「きっとまたここにすぐ帰ってきそうだな」という弱気な気持ちをぬぐい捨てきれない「やるせなさ」が勝ってしまうような現状が問題なのだ。