leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『やがて哀しき外国語』村上春樹

 

短編のエッセイ集。読みやすかった。

1991年から二年間、アメリカのニュージャージー州プリンストンに筆者は住んでいた。

本書は当時の記録で、文庫本になったのは、1997年。

ヒエラルキーの風景」日本人でアメリカに派遣されている純粋培養官庁系「共通一次男」 の話。

もっともよくわからないのが、自己紹介がわりに共通一次の点数を持ち出す人間の神経である。(p.252)

共通一次元年に運悪く当たってしまい、私立大学しか受けず、しかも一浪している自分には、あり得る話し。

早稲田大学に入学した筆者は、中央公論社から出ていた『世界の歴史』という全集を、繰り返し読んでいたから、世界史が得意だったそうだ。

その程度のいい加減な「好きなことをすきなだけやった」風の勉強ですんなりと入れた。(p.249)

文庫本の附記として

この文章を読んでちょっと「傷ついた」という国家公務員の人たちとも、その後何度か会いました。(p.257)