leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『久米宏です。』久米宏

 

2017年に単行本として出版されたものが、2024年10月に文庫本となり、それを図書館で予約して拝読。

1970年代、土曜の午後TBSラジオで、「男が出るか、女が出るか」と叫んでいる平野レミとレポートしていた「ワイドラジオTOKYO」が久米宏の初体験。TBSのアナウンサーだった。「料理天国」「ぴったしカンカン」「ザ・ベストテン」のあと、フリーとなり、横山やすしと共に「TVスクランブル」開始。そして1985年「ニュースステーション」が始まり、2004年に最終回を迎える。

外見はスマートだし、スタイリングは奥さまが常時複数用意されている。

本書を通読し、意外だったのは、用意された台本を読むのではなく、取材ビデオを観て率直な感想を伝えることを重視されていたこと。スタート時の目新しさを経て、それが政権側も気にするような一挙手一投足となると、何とも窮屈な立場となる。

ジェーン・フォンダへのインタビュー時に、はいていたパンタロンが『チャイナ・シンドローム』にはいていたものでは? と指摘すると、その後彼を信用し、ロバート・デ・ニーロも「ジェーン・フォンダから聞いて、この番組に出ることにした」とのこと。

横山やすしさんとのこと、初代解説委員だった小林一喜さんのこと、小宮悦子さんのこと、懐かしい顔が蘇る。

年表を見ると、民主党への政権交代東日本大震災福島原発事故自民党政権が復活など、「ニュースステーションの久米さんだったら、何て言っただろう」と思わせることばかり。実年齢は79歳と文庫版あとがきにあるが、「やり残した思い」はなかったのだろうか?