桐野夏生さんの新作。予備知識なく、Amazonでポチりました。
小説家が突然、国の機関に拘束され、自作を反省させられ、改悛させられる。
矯正施設では、言動がすべて減点の対象となり、それにより、開放までの期間が左右される。外との連絡も遮断される。
コロナとか、自殺とか、気が滅入る日々に、読み耽るには試練だったが、それでも二日かからず読了。
飛躍かもしれないが、トランプ政権下のアメリカ合衆国で生活することと似ているような。自分が正しいと思うことが頭から否定され、思考停止状態に置かれることが。
日本学術会議の政府による6名の任命拒否も、この流れの一つかもしれない。
そういえば「市民」から「国民」という言い方が、いつからか抵抗なく使われるようになってきた。
自由なんて甘っちょろいと断裁されそうな世の中が、本当に恐ろしい。
国会前デモのニュースも消えてしまったし。
「自分に何ができるんだろう?」と絶えず問い直してみよう。