leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『ハンチバック』市川沙央

第169回芥川賞受賞作を文藝春秋最新号で読む。

せむし(ハンチバック)の怪物の呟きが真っ直ぐな背骨を持つ人々の呟きよりねじくれないでいられるわけもないのに。

この2行に凝縮されているのかな。

どんな内容か、報道や単行本の売れ行きから楽しみにしていた。

高校生も中学生も読むのかな? どのくらい理解できるのかな?

逆に70代以上だとついていけないかも。「ハプバ」「ヤフコメ」「コタツ記事」など、理解不能な言葉も多い。ホームの母には、見せたくないな。

 

腰の手術のために入院したとき、夜中に尿の始末をしてくれたのは、男性看護師だった。びっくりした。仕事だと割り切ることにしたものの、数日、鬱状態だった。

この小説の中にも、障害者の入浴介助を、同性がするか異性でもよしとするか、当人の思いが書かれている。そして、障害者の性、特に女性の性の問題を提示している。

小説をきっかけに掘り起こされた自意識を、もう少しいろいろ再認識してみることにしよう。