医学部在学中の1965年にフォーククルセダーズを結成、1967年に「帰ってきたヨッパライ」を発表、「風」「白い色は恋人の色」「戦争を知らない子供たち」「あの素晴らしい愛をもう一度」「さらば恋人」「赤い橋」などを散発的に発表している。
本書は5歳下の音楽評論家、富澤一誠を聞き手に、作品誕生の経緯、当時の思いなどを語ったもの。
積極的に作詞家活動をしていたのは、5年ほど。
「風」について1970年安保時代の歌だと、きたやまはこう振り返る。
本当に機動隊が入ってきて、水をぶっかけられて、後に何も残っていないのを見せつけられた。それを言葉にしたのではないかと。
フォークルの体験そのものも、私にとっては熱狂の通りすぎた後みたいなことになってしまった。いったいあれはなんだったのかと問いかけると、やっぱり何も残ってない、風だなと思ったよ。だからそれは時代でもあり、個人においてもそうであった。
Spotify で、取り上げられた曲をきき返しながら。
堺正章の「さらば恋人」は、筒美京平さん作曲で名曲となったが、一度も会う機会はなかったそうだ。