歌野晶午の最新短編集「ハッピーエンドにさよならを」が、新聞の書評に載っていたので、さっそく購読。
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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タイトルから想像がつくように、全ての短編がことごとく、ハッピーエンドとは程遠い最悪の結末。
しかも、読者の想像を見事に裏切れる結末ばかり。
難病の娘を救うべく、姉妹でドナーになったばかりに…「おねえちゃん」。
今年こそ東大に入れれば、今までの苦労が報われる。さて何年、それを続ける?「サクラチル」。
毎年訪れる母の実家には、秘密の部屋がある。「観てはいけないよ」と言われるほどに観たくなる。そこには…「死面」。
ホームレスにも一分の尊厳。中学生の襲撃とおせっかいボランティアの間に、大きな差異はない。「尊厳、死」。
すべてが、「裏目に出るとこうなることも」という示唆に富んでいる。