leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『流浪の月』凪良ゆう

 

【2020年本屋大賞 大賞受賞作】流浪の月

【2020年本屋大賞 大賞受賞作】流浪の月

  • 作者:凪良 ゆう
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本
 

 この作者のことは何も知らず、本屋大賞ということで、ポチっと購読。

幸せな一家が坂道を転げるように事件に巻き込まれ、幼い娘に消せない傷を残す。

しかしその傷を癒すはずの落ち着き先は、決して彼女が「落ち着く」ことを許さず。。。

どうなるんだろう? とハラハラしながら読み進めた。

今、この本は、ホームにいる母のところに送られ、母もはまったみたいです。

ホームの本好きの方にお貸しして、また戻ってきたときに、ゆっくり再読したいと。

私もまた戻ってきたら、再読します。

『戦争は女の顔をしていない』小梅けいと

 

戦争は女の顔をしていない 1

戦争は女の顔をしていない 1

 

 注目されている本なので、購読。

独ソ戦争に参戦した女性ソ連兵500人にインタビューした記録を漫画化。

簡単に性差を認めることに潔しとしない自分ではあるが、長年の自問自答として「女性は戦地に男性のように赴けるか」という逡巡があった。

ソ連では第二次世界大戦の時点で、そんな疑問はとうに吹き飛ばされ、過酷な自然環境の中、兵士としての役目を求められていた。

特に、狙撃兵、パイロット、夏の進軍のエピソードには、心が揺さぶられた。

多くの人に手にしてもらいたい一冊。

各国語版により、世界にも発信してもらえたら。

『グリーンブック』

 

グリーンブック(字幕版)

グリーンブック(字幕版)

  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: Prime Video
 

 WOWOWで、アカデミー賞の発表が近づくと、前年度の受賞作がオンエアされる。

前年度の作品賞でした。

ヴィゴ・モーテンセン演じる主人公のイタリア系運転手トニー・リップが、カーネギーホールの上階で暮らすピアニスト、ドクター・シャーリーに雇われ、南部のツアーに出かける。

アメリカ南部では、差別意識が支配し、ガイド書「グリーンブック」を頼りに、専用のホテルやトイレを使用しなければならない。

それでもピアニストの行動は、演奏会会場の住民はもちろん、運転手の意識を根本から揺さぶる。

フライドチキンの食べ方のくだりでは、「どっちが粗野なんだよ!」と思う。

配役の勝利。同時に南部の畑で耕作に勤しむ黒人の姿は、忘れられない。

 

『熱源』川越宗一

 

【第162回 直木賞受賞作】熱源

【第162回 直木賞受賞作】熱源

 

 直木賞受賞直後に入手。慣れない人名・地名の難しさ、場面展開の速さにギブアップしそうになったが、途中から、短編小説を読むつもりで、寝落ちするところまでゆっくり読み進めることにして、ようやく読了。

北海道と樺太、ロシアを舞台に、アイヌ民族の流転の歴史と共に、故郷を追われたブロニスワフ・ピウスツキの数奇な半生が描かれている。

後半には、二葉亭四迷、南極探検家の白瀬なども登場し、事前に知識を入れずに読み始めてよかったと思えた。

これが2作目の筆者。これだけ波乱万丈の舞台をまた見出すことができるか、すべて創作で取り組むのか。どちらにしても期待したい。

 

 

 

『ノースライト』横山秀夫

 

ノースライト

ノースライト

  • 作者:横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: 単行本
 

 昨年のミステリーランキングで上位を攫っていたので、ポチっと。

前作『64』のイメージがあったせいか、警察もマスコミも中心でなく、建築家が主人公とは意外。

建築士と建築家は違うのか~。と思ったり、バブル時の狂乱は、建築界に影を投げかけているのだな~。と思ったり。

タウトとか、パリの風景とか、この本を入り口に、もっと深く知りたくなる。

登場人物が多く離婚する本作。それでも子供を思いやる行動は、計り知れない。

ホームの母に届けよう。きっと喜んでくれるに違いない。

 

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 

 EU離脱で揺れるイギリスでの子育て。

イギリス人のパートナーと元・底辺中学校に通う「ぼく」。

誰と友だちになったらいいんだろう。学校生活って、そのチョイスで楽しさが決まるところがある。

同情するのもされるのも、子供にもあるプライドが邪魔をする。

「行方不明(missing)と家出(run away)は違う」って初めて知った。最近、日本でもそんな事件があったばかりだ。

環境問題の金曜のデモへの参加も、学校の判断に左右されるが、考える深さは日本の10代とはかけ離れている。

FGM(女性割礼)のことを私が知ったのは、もう20年ほど前のこと。それを学ぶために、女性器のビデオを観る。日本の教師たちはまず直視できまい。

「オヤジのようなことばかり発言するヤツがハブられる」というのも笑える。

『我らが少女A』高村薫

 

我らが少女A

我らが少女A

 

 高村薫さんの新作。年末のランキングでも上位だったので購読。

でも、、、細かい文字で、ゲーム用語が満載。

これでは、ホームに住む老母に貸せないよ!!!

しかも最後になれば、すっきり、、、しないんだよな。これが。

著者インタビューで、犯人には早々に退場願った。とあるのですが、その背景や心情に迫りたくなるのですよ。

しかし、その周囲の人間模様、時間の経過と共に成長、深化する心情だけはこれでもかと見せていただけました。