注目されている中学生作家の作品を初めて読んでみる。
学校生活の時間割に即して、日々の想いを綴っている…そんなありきたりなものではない。短編一つ一つの構成が冴えていて、先が読めない。「中学生作家」という立場を素材として登場させる冷静さを持ち合わせている。
中でも「家庭科」「体育」など、当たり前とされてきた概念が、出来ない人にとっての「同調圧力」を振りかざすことになるという発見。
担任の先生の「作家」への果てない夢の行先まで考えているなんて。
この作者には、もう早稲田大学や日大芸術学部の卒業資格を与えてしまってもいいのかも。