leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『猫を棄てる』村上春樹

 

ずいぶん前に購入していたのだが、「つん読」していた一冊。この機会に。

20年以上、個人的な葛藤ゆえに、疎遠となっていた筆者の父と、最晩年には和解できたものの、ずっと刺さった小骨のようなものをこの作品に昇華させた。

父親との思い出、父親の出自や戦争体験を綴り、父を形作ってきた積み重ねをそっとすくい取る。

台湾出身の画家・高妍が描く絵も、ノスタルジックな画風で、文章と溶け合っている。

 

私の亡き父は、先日、神戸を離れたサッカーのイニエスタ選手に似ていた。

サッカーのニュースを見るたびに、父を思い出していた。

その機会も少なくなってしまう。