leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『夢の入り口』樹村みのり

 

Amazon kindle unlimitedを1か月のお試し期間だけと心に決めて利用している。

1970年代の少女マンガ月刊誌『りぼん』に載っていた樹村みのりが復刊され、kindle unlimitedの対象本とわかり、何冊か読んでみた。海外の登場人物が多かった。

この「ヤマギシ会特別講習会について」と副題があるこの本は、読むことを逡巡したが、安倍元首相襲撃でも宗教団体が関わっていることが報じられるにつれ、20代に見聞きした新興宗教団体の当時は知りえなかった実情に触れたいと思い、読んでみた。

「マインドコントロール」による信者の獲得がどのように行われていたのかが具体的にわかる。できないことができるように思いこませて参加者に選び取らせることで、「やればできる」という問題のすりかえがなされているのだ。それができるのも、この会に参加してこそと思わせるのもうまい。

「自由」というのは、人間らしくくよくよ悩んで、引き返したり、前進せずにそこでとどまる自由もあってこそ。他人の眼や評価に自分の思いを取り込まれることはないのだ。つくづくこのような団体に関わりがなかったことに安堵している。