leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

映画篇

金城一紀の書き下ろし「映画篇」を読む。

映画篇

映画篇


「GO」を書いた人でもあり、短編が5つ。
最後の1編に収斂されるのだが。
高校生男子の友情が朝鮮学校という特殊な事情と相まった「太陽がいっぱい」。
夫の自殺の謎が、意外な形で解ける「恋のためらい…」。
おじいちゃんを亡くしたおばあちゃんを元気付けようと、一族のいとこ世代が見事な連携で、ローマの休日の映画会上映を実現させる「愛の泉」。
どれも読後感が温かい。
ボキャブラリーの乏しい若者が、成長するに従って、語彙を増やし、行動の幅を増やし、経験値を増やす。
夏休みに若い(気分の)人が読むのに最適な一冊。