オウム真理教による地下鉄サリン事件後、被害者へのインタビューが『アンダーグラウンド』。そちらを読もうと思ったが、残された信者へのインタビューのこちらを先に読む。
巻末に、河合隼雄氏とのインタビューもあり、社会の不自由さから違う次元で生き(出家)、同じ指向性を持った集団内での充実感(ある信者は、指示されることをこなすことで、ある信者は、アサハラをはじめ、上位者から認められることで)をある時期までは得ていたが、集団が大きくなり、社会との摩擦が生じるにつれ、アサハラの野望は暴走し、幹部も犯罪に加担してしまう。
林郁夫は無期懲役になったが、アサハラも無期懲役になるべきだった。死刑になったことで「来世はきっと願いが成就されるに違いない」との希望なんて、持たれていたとは思いたくない。
統一教会、ジャニーズ問題にも通じる、集団の狂気。
どれだけの人が、社会が、きちんと清算できたのだろう?