フジテレビで『大奥』というドラマがありましたが、一度も観たことがなく、私の世代ではまだ『大奥』と言えば、ロマンポルノの一つという印象が強く、遠ざけておりました。
でも男女逆転の物語として、ジェンダーの面で特筆されるべきストーリーらしいということがわかり、ブックオフオンラインで「大人買い」したのでした。
1巻から12巻まで途切れることなく250円という破格値で入手し、徳川第3代家光の頃から黒船前夜まで読み進めることができました。
何より、男女逆転するきっかけとなった「赤面疱瘡」という流行病をいかにして抑え込むか、ワクチン(熊痘)を入手し、絶やさず、食い止めるために用いるかが大きなテーマになっている。これって、今の「コロナ」の状況と同じだ。
2004年から2015年に連載されていたものなのに。
画筆がまた丁寧で、飽きることなく読み進めることができました。難を言えば、美男美女の書き分けが難しいようで、ときどき着物で見定めなければならなくなります。
男の名前が男性にも女性にも使われているので、混乱するし。
もう一回、慈しみながら読み返すことにします。