朝日新聞の書評で、斉藤美奈子さんが「これは現代のプロレタリア文学である」と紹介されていたので、図書館で予約すると、セーラー服の表紙。ん?
1ページ目で、宗教にのめりこむ母、家出した父、祖父母に勧められ高校に入ったが、三日で高校を辞め、洗剤を扱う工場のパートで働く事になった主人公。
女性が多く、フィリピン女性も戦力。
そうか。これが現代の「蟹工船」か。
中学での壮絶なイジメ体験が職場での人間関係に影を落とし、チープなボーイフレンド、25歳の愛人を「サラブレット」とのたまわる父、祖父母も都合のよいボケぶりを発揮し、友人の親達にまで翻弄される。
誰が味方なのか? あっ、味方はどこにもいないのか。
最終的には、少し光明を見出すのだが、「イヤミス」ではなく、「こんなふうになりたくなければもっともっと頑張りなさい」という「反面教師」のようなストーリーだ。