leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『なぎさホテル』伊集院静

 

なぎさホテル (小学館文庫)

なぎさホテル (小学館文庫)

 

 逗子にあったなぎさホテル。

私も、元カレと一緒にランチを食べに行った覚えがある。

筆者は、夏目雅子さんと結婚する直前まで、ここに7年余り逗留していた。

懐の深いI支配人やY女史などのスタッフに見守られ、焦ることのないように絶妙なタイミングで声をかけ、「愚か者」の作詞やコンサートの演出で認められ、小説をモノにしていく。

小坪や鎌倉もたびたび登場し、関係者がすでに亡くなったであろう、夢のような得難い邂逅を綴っている。

今は、夢庵というファミリーレストランになっているらしい。

 

高峰秀子が愛した男

 

高峰秀子が愛した男

高峰秀子が愛した男

 

 図書館で予約して、高峰秀子関連の著書を追いかけています。

松山善三と結婚し、新婚当時は「逆格差婚」だったのですが、添い遂げて、二人の結婚生活も、晩年養女となった方の筆により、綴られています。

高峰秀子に見合う男なのか?」この問いに、生涯をかけて答えていた真摯な態度に、惚れていたのでしょう。

お互いの数少ない発言が紹介されており、「覚悟を持って愛しぬく」というスタンスが貫かれた結婚生活でした。

人間の証明」のシナリオコンテストに「プロ・アマ問わず」とあり、70代の松山善三が応募し、669人の応募作から当選したエピソードに、いちばん驚かされました。

晩年もさぞかし惚れなおしたのでしょうね。

 

 

待ってました! 熊谷

タイトルは「こうであったらいいな」という願望。

前日朝10時に、横浜高島屋の開店とほぼ同時に地下一階の食料品売り場でAUDREYを探す。幼馴染のマッチが、誕生日に何回かくれた貴重品。売り場ではいつも行列ができていると聞いていたので、覚悟していたら行列を発見。10人目くらい?
取扱商品一覧を拝見し、AUDREYのグレイシアの詰め合わせひと箱と5個入りを二箱ゲット。リュックに、本「銀河鉄道の父」「おらおらでひどりいぐも」とバザーでゲットしたピアスとキーホルダーを入れる。

当日になり、地下鉄に乗った途端、メールや電話が。「何が起こったんだろう?」

戸塚に下りて人並みを避けて電話をかける。くりちゃんもピキちゃんも話し中。

「きっと二人で電話をしているんだ」

とりあえず、崎陽軒の特製シュウマイを注文。3つ欲しいのに、2つしかないと言われ、仕方なく二つゲット。

JRは、宇都宮線に乗り込む。横浜から運よく座れた。

メールで、くりちゃんが風邪をひいたことを知る。キャンセルのお申し出だったが、もう引き返せない。「とりあえず、GO!」

大宮で乗り換え、熊谷に降り立つ。くりちゃん宅へ。

ピキちゃんの出迎えを受け、ご挨拶。ランチは、クリちゃん作のスバゲッティ。

アイスやコーヒーをいただき、「慈げんさんに行ってみる」ことに。

かき氷で有名な慈げんさんは、整理券が出るほどの人気店。行列を覚悟で、3時閉店を気にしつつ歩いて。懐かしい熊谷の街並み。

慈げんさんで、抹茶あずきと生イチゴをオーダー。オーナーの楽さんも奥さまもリーフのことを覚えていてくださり、感激。暖房された室内でいただくかき氷はあっという間に。

八木橋百貨店に行くというピキちゃんと別れ、マダムMのお宅へ。

先日、重い荷物を持たせたまま、横浜を歩き回ったお詫びをしたくて。

AUDREYと特製シュウマイをお渡しできた。

ノンアルコールビールとオードブルでのおもてなし。

いろいろなお話をして、4時半近くにおいとま。

熊谷駅の改札で電車案内をみると、あと2分で発車。走る。セーフ。座れた!

2時間揺られ、戸塚へ。マダムMからいただいた、ビールのチビ缶2本をお土産に。

充実、満足の熊谷でした。

 

『東大から刑務所へ』

 

東大から刑務所へ (幻冬舎新書)

東大から刑務所へ (幻冬舎新書)

 

図書館で予約していた。 熊谷の行きかえりの車中で読了。

お互いの生育環境、東大合格に至る学業、刑務所へ入るまでの軌跡、刑務所の日常、刑期を終えてから現在まで。対談形式で、「ここまで語っていいの?」と驚くべき内容。

大王製紙の創業者一族の三代目として育った井川氏。根っからのギャンブル好き、そして女性好き。現社長のクーデターの趣きもあったと語る。

ホリエモンは、「出る杭は打たれる」典型。理不尽な捜査、起訴など、「この際、まとめての恨みつらみ」を述べている。幸い、民間でのロケット開発に現在は傾注し、成果も出しつつある。

佐藤優氏の助言も大きかったようで、塀の中に一度いらした方同志の連帯意識は高そう。

井川氏の著書「熔ける」のお陰で、堀江氏の「ゼロ」の売り上げが2番手に甘んじたことまでぼやいています。

 

 

 

 

戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

 

戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

 

 図書館で予約できたので。

「桜隊」という移動演劇集団が、広島で被爆したことは知っていた。

中心人物の丸山定夫をはじめ、映画「無法松の一生」に出演した園井惠子をはじめ、団員9名が命を落とした。

「桜隊」演出家の八田元夫が残したメモが早稲田大学演劇博物館の倉庫で発見され、空白となっていた悲劇の詳細が綴られている。

演劇という「芸術活動」を続けること自体、治安維持法を振りかざした当局から目をつけられ、それをかいくぐるには、江戸時代の絵踏のような究極の妥協があり、それが戦後「戦争協力」と弾劾されたのだとしたら、生き残った八田もさぞかし辛かったことであろう。

かすかに記憶に残る名優(多々良純、原泉ら)の名前もあり、非常に読みごたえのある一冊だった。

寿 初春大歌舞伎(歌舞伎座 1月 昼の部)

箱根霊験誓仇討

勘九郎七之助が夫婦…足の悪い勘九郎が元気になったときは、ワンピースみたいだった。愛之助さんが、二役。猿之助さんが演じるはずだった役も演じたせいか、悪役とよい役。「実は…」となりそうで、何となく乗れない。秀太郎さんが老婆。葵太夫さんが義太夫

七福神

初春らしい賑やかな演目。

車引

声を張り上げて熱演。なのにちょっと眠くなる。

寺子屋

東太夫さんの義太夫猿之助さん、「リハビリがんばってこの公演に備えた」というアドリブ、初日から同じなのかな? 左團次さん、やはり貫禄があります。

人生フルーツ

年末年始に録画した映画の一つ。

愛知県の高蔵寺ニュータウンにある一軒家で暮らす老夫婦。

ニュータウンの開発に関わる夫は、切り開かれた山野を甦らせようとまず自らの家屋から希望を膨らませた。

 

風が吹けば、枯葉が落ちる。

枯葉が落ちれば、土が肥える。

土が肥えれば、果実が実る。

こつこつ、ゆっくり。

 

樹木希林のナレーションで、二人の「信条」が繰り返される。

お互いを「さん」づけで呼びあい、庭で採れた収穫物を元に、常備菜を作り、子育てをする夫妻。

丁寧で上品な暮らしの営みを垣間見た。