朝日新聞で「歌舞伎が舞台の連載をしているんだ」と眺めつつ、新聞連載は、一度もトライしたことがなかったので、上下巻が出版されてからの一気読み。
上方歌舞伎の女形を受け継ぐ家に、二人の少年がおります。一人は家を背負い、もう一人は極道の刺青を隠しつつ芸養子として、切磋琢磨しておりました。
友情、挫折、裏切りなど、大成するための肥やしは、芸だけでは決してございません。
歌舞伎の配役に合わせて、国宝級の役者になるまでの果てしない道のり。
今、歌舞伎座でも「阿古屋」が上演されておりますが、それも登場します。
と、このような丁寧な文体で、薫り高い芸術の世界を堪能できます。