leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

純平、考え直せ


奥田英朗さんの著書は、表紙が顔のイラストだと、「しがない若者」シリーズ」という傾向が見て取れます。
これもその1冊。
東松山(駅は知らないけど、転居してからよく耳にするようになった地名)出身の22歳ヤクザ純平。
ハーバード大学東京大学も、親がエリートだから子どももその大学を目指したというケースが多いようですが、これはその逆で、親がしょうもないから、子どももヤクザになった。
親分に「鉄砲玉」になったアタマを取ってこいと命じられ、決行日まで束の間のシャバでの贅沢三昧。
でも何故か、ナンパした(された)女性に、携帯の掲示板に、計画も名前も書き込まれ、それを見た若者が、「やめとけよ」「無駄だよ」と書き込みホーダイ。
「アニキのためなら命も捧げる」と心で誓ったアニキにも、いろいろ事情がありそうで…。
最後の身納めに東松山に帰り、母親と会話を交わすクダリも泣かせる。
結末は、映画「俺たちに明日はない」のようです。