leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

くまちゃん

角田光代の新刊。

くまちゃん

くまちゃん


いくつか書評にも取り上げられている短編集。
「恋をし、ふられ、年齢を重ねていく。そう、この小説では全員がふられている。私はふられ小説をかきたかったのだ」(あとがきより)
筆者はもうすぐ42歳。
この小説に出てくる90年代あたりの描写や心象風景に、思い当たることもたびたび。
短編を読み進めるたびに、訳がわからない振り方をした先方の事情が、「こういう思いだったのか」とわかったりするのも一興。
どうしようもない、救いようもない登場人物も出てくるのだが、「それも一理ある」とうなずけてしまう。