「テルミン」

　
電子楽器「テルミン」を発明し、米ソ冷戦時代に数奇な運命をたどった「テルミン博士」と楽器「テルミン」を描いたドキュメンタリー。
以前から観たかったが、先日、BSで放映していたので、ハードディスクに録画し、視聴。
ロシアの科学者テルミンは、1920年に空間にかざした手の動きによって触れずに演奏される世界初の電子楽器「テルミン」を発明。
HPによると「テルミンには既存の楽器にみられる鍵盤や指盤が存在せず、代わりにアンテナが二本、垂直、水平方向に備わっている。アンテナの周囲には微弱な電磁場が形成されており、演奏者はアンテナに対し手を近づけたり遠ざけたりすることによりこれを干渉する。電磁場の変化は楽器内部の発振器に作用し、結果、身体の動作により音高や音量の変化を導きだせるのである」と記述されており、SF映画での恐怖心をあおる効果音に使われることが多かったようだ。しかし、レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛」、ビーチ・ボーイズ「グッド・バイブレーション」にも効果的に使用されている。
何より、ニューヨークを拠点として、カーネギーホールでのコンサートも行った絶頂期の1938年に、ソ連のKGBに拉致され、強制労働、盗聴の音をクリアにする任務などについており、西側には死亡説が流れ、晩年までその生存すら知られず、1991年にようやく訪米が叶い、1993年には死亡してしまう。
HPでは、バーチャルテルミンという仕掛けで、テルミンを体験することができる。しかし、やはり「怖い音」と思われるようなので、一人で楽しんでみてください（それも怖いかも）。