leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『マジカルグランマ』柚木麻子

 

マジカルグランマ

マジカルグランマ

 

 定期購読している週刊朝日に連載されていたものだが、どうも新聞や週刊誌の小説を読む習慣がなく、今回も単行本になってから購読。

筆者の描く女性は、理想像でもなくすべて共感できるわけでもなく、まるで「イヤミス」の登場人物のようだが、読み進めるうちに、「自分にもこういうところがあるかもしれない」と気づかさせてくれる。「まいったな」という思いと共に。

知人の夫もこの主人公のように、家庭内別居をしており、自宅の敷地内で経営しているアパートの一室で死んでいたのに気づかなかった。先日会ったときも、聴いてみたかったが、そのことに関してはタブーのようで、触れることができなかった。

そして、杏奈のように、自分の思いだけが突っ走る勘違い人間も増えてきている。

でも、この本の特筆すべき点は、疎まれるはずの者がコミュニティの中に取り込まれ、役割を見出すところにある。主人公自身が、何度くじけても立ち上がるのだが。

高齢者を描いている小説でも、「理想のおばあちゃん(=マジカルグランマ)」からは突き抜けている。70代だとまだまだこういう感性もあるのか。

母の感想を聴いてみたい。早く読ませよう。

『シーソーモンスター』伊坂幸太郎

 

シーソーモンスター (単行本)

シーソーモンスター (単行本)

 

 伊坂幸太郎の新作。2篇の小説が筆者らしい「疾走感」を奏でながら描かれている。

1作目「シーソーモンスター」は、嫁姑の争いなのだが、この嫁姑、タダものではない。だからこそ、お互い疑心暗鬼に囚われ、泥沼にはまり込む。

2作目「スピンモンスター」、実は、なかなか読み進められなかった。なぜなら、幼くして交通事故で家族を失うという設定に、辛いものがあったから。

しかもAIの自動運転が引き起こす悲劇ゆえ、いつもの「伊坂幸太郎ワールド」に浸ることができにくかった。それでも数日後にはガンガン読み進められたのだが。

結末は、一読だけで理解するのは難しい。何度も味わって、ようやく作品の「滋味」に触れることができる。

『とめどなく囁く』桐野夏生

 

とめどなく囁く

とめどなく囁く

 

 ついつい購入してしまう桐野夏生の新作。

今回は、披露山がモデルであろう高級住宅地が舞台。

8年前に海上で失踪した夫への喪失感にさいなまれる主人公と妻に先立たれた富豪の再婚。

周囲の思惑、妬み、前回の結婚に対する悔恨。

現在の結婚生活のきしみ。

筆者の淀みない筆致が、もどかしさを超え、ページ数が少なくなると「もう終わってしまうのか」とさえ。

結末がつかないまま終わってしまうかと思いきや、しっかり結果をみせてくれる。

41歳という主人公の年齢が、私にとっては、とても若い。でもその年代を主人公にして小説を描いてくれる筆者はなかなかいない。

『フライド・グリーン・トマト』

 

フライド・グリーン・トマト HDマスター [DVD]

フライド・グリーン・トマト HDマスター [DVD]

 

 NHK・BSを録画したものを視聴。
1991年製作の映画だったので、忘れていたのですが、好きな女優さんが出ていたので。

エヴリン(キャシー・ベイツ)の気持ちで観た。そして彼女が目覚めていく過程が痛快だった。

「ドゥワンダ!」=怖いものなんか、ありゃしない。何でもできる。

来週からの自分への勇気付けになった。

ニニー(ジェシカ・ダンディ)のように、老人ホームで話を聴いてくれる人を待っている人は多いのだろうな。今日も、母のところに行くけど。

ジーメアリー・スー・マスターソン)はかっこいい!。

ルース(メアリー・ルイーズ・パーカー)とは一見気が合いそうにないけど、原作は二人の同性愛まで踏み込んでいるようだ。

DV&黒人差別男には、天誅が下ります。

ビッグ・ジョージ(スタン・ショウ)は、心がきれいで、優しい力持ち。

フライド・グリーン・トマト」って、ホントに美味しいのかな?

『新世界』西野亮廣

新世界

新世界

 

 図書館にずいぶん前に予約していたこの本。順番が回ってきたときには、予約したことを忘れ「誰の著書だった?」と記憶を辿る。

表紙に筆者の写真。そうだ、お笑いコンビキングコングの片割れで、絵本で有名になった人。

この本も、今までのエピソードを重ね、順風満帆ではなかった成功譚にしている。

読者の信用を貯めているのだ。

彼の手法を揶揄するなら、彼を上回る成果をだしてみろ。

今朝、偶然「はねるのトびら」の再放送を初めて観た。彼が、階段上りに挑戦していた。楽屋入りも早朝から、練習を重ねてきていた西野は、いざ本番になると「やめとこ」と撤退する勇気。

 

『14歳、明日の時間割』鈴木るりか

 

14歳、明日の時間割

14歳、明日の時間割

 

 注目されている中学生作家の作品を初めて読んでみる。

学校生活の時間割に即して、日々の想いを綴っている…そんなありきたりなものではない。短編一つ一つの構成が冴えていて、先が読めない。「中学生作家」という立場を素材として登場させる冷静さを持ち合わせている。

中でも「家庭科」「体育」など、当たり前とされてきた概念が、出来ない人にとっての「同調圧力」を振りかざすことになるという発見。

担任の先生の「作家」への果てない夢の行先まで考えているなんて。

この作者には、もう早稲田大学日大芸術学部の卒業資格を与えてしまってもいいのかも。

 

 

『くらもち 花伝』くらもちふさこ

 

 くらもちふさこさんが、デビュー作から今までの自作を語る。

これは入手しなければ。と、ポチっとAmazonで注文したところ、予想外に早い到着。そしてひと晩で読んでしまいました。

5歳しか年齢は違わないのに、何気ないコマにまで思いを注いでいる。

作品ごとにタッチが進化していることにも敬服。

登場人物のヒントの素に触れることができた。

「編集者がいい顔をしなかった」作品もある。いつもヨイショされていたわけではなさそう。

マンガ不況だったのか、別冊マーガレットしかオンタイムでは手に取ることはなかったが、コミックで「全巻大人買い」してしまった。

そして今朝、ドラマ「半分青い」に出ていたマー君こと中村倫也さんが「あさイチ」に登場。満たされました。