leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

上野千鶴子氏講演会

「格差社会と女性 弱者が弱者として生きていける社会とは」

2013年2月21日 横浜市 フォーラム(戸塚) ホール

 

1970 ウーマンリブ

1977 女性学研究会発足

男女平等指数(GGI)は、世界135カ国中101位

市議会議員の女性率は微増しているものの、町村、県議会議員における女性の割合は変わらず。
CEDAW(女子差別撤廃委員会)勧告に対する日本政府の取り組み

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/adinfo_1211_jp.html

 

選択的夫婦別氏制度

自民党政調会高市早苗さんは、この制度に反対。でもご本人は、結婚後も「高市」姓で公的活動を継続。言行不一致では? 選びたい人の邪魔だけはしないでほしい。

 

総選挙前、各政党に、ジェンダー平等政策に関するアンケートを行った。

http://gifu.kenmin.net/akenminh/kou-2/seitou/soukan1.pdf

 

エネルギー問題 脱原発

ドイツは脱原発を選んだ ミランダ・A・シュラーズ

ドイツは脱原発を選んだ (岩波ブックレット)

ドイツは脱原発を選んだ (岩波ブックレット)

イタリアも脱原発に。日本は、なぜできないのか? 

 

女は何をしているのか?

戦後GHQのシロタ・ベアテさんは、女性参政権に寄与したと言われるが、戦前から女性の参政権は、国会で採択されていた。「ベアテ神話」と言えよう。

 

昨年12月の総選挙は、棄権が多く、それも一つの意志表示という報道があったが、

「何もしないことで、強いものの味方に」なってしまっている。

市川房枝さんは「権利の上に眠るな」と発言していた。

50歳以上の人は、「こんな日本に誰がした?」という責めを受けるべき年代である。

 

1985年に誕生した雇用機会均等法は、平等ではなく、女性団体は皆反対していた。

残業、深夜労働ができるようになるメディアや管理職にのみ、プラスとなった政策。

 

1995年 改正労働者派遣事業

女性の7割が非正規労働に。

使える女は男並みに、使えない女は、低賃金に。=女女格差・自己責任

この10年間、パラサイト・シングルが増える。

その中でも非正規労働者が増え、所得は低下し、家事時間は増えている。

親の介護要員となり、将来的には初老のおひとりさまとなる。

 

エリート女は、「力が及ばぬ」と自傷行為に走る傾向。

 

女性の連帯・組織化の困難

カツマーVSカヤマー「努力で幸せになれますか?」「努力は報われると思いますか?」

年収400万円が壁

 

どんな女性が子どもを産むか?

正規雇用の女性が、結婚や出産率が高い。

女性に正規雇用を与えよ→財界の反対

男性正規雇用者(オヤジ)の既得権に切り込む。

 

国家の安全保障より人間の安全保障を

超高齢社会=安心して弱者になれる社会を。

誰しも弱者と紙一重の差しかない。

 

そこそこ、ほどほどの国を

会社に自分を預けない。

シングル・インカムは危険すぎる。ダブル・トリプル・マルチをめざせ。

会社の寿命は短い。小銭をかき集めて生きろ。

 

法的規制をかける→女性の議員増→クオーター制の導入を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソロモンの偽証

700ページ以上もある3冊を「最後までしんどい」「最後がもうきてしまう」「結末よ、まだまだ来ないで」と逡巡しつつ読了。

昨年発刊されたミステリーの話題作。

テーマは「男子中学生の死は自殺だったのか?」。

その死をとりまく「偽証」に翻弄されつつ、中3の夏の課外活動として、クラスメイトが事実探求のために、学校内裁判を開廷する。

生徒の真摯な思いに、教師も親もこの法廷を見守る視線が温かい。

マスコミの餌食にされそうにもなるが、彼らの機転が窮地を救う。

嘘に対する「謝罪」「償い」の場としても、法廷はきちんと機能している。

中学生から高校生に、ぜひこの本を読む機会があるといいのだが。

「法廷」という厳粛な空気感に触れる入口として。

それぞれの家族や友情のエピソードも魅力的で、根っからの「悪人」は一人も登場しない。

 

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第II部 決意

ソロモンの偽証 第II部 決意

ソロモンの偽証 第III部 法廷

ソロモンの偽証 第III部 法廷

 

ここは退屈迎えに来て

ブックオフ、ハードオフ、モードオフ、TSUTAYAとワンセットになった書店、東京靴流通センター洋服の青山、紳士服はるやま、ユニクロ、しまむら、西松屋、スタジオアリス、ゲオ、ダイソー、ニトリ、コメリ、コジマ、ココス、ガスト、ビッグボーイ、ドン・キホーテ、マクドナルド、スターバックスマックスバリュ、パチンコ屋、スーパー銭湯、アピタ、そしてジャスコ。こういう景色を”ファスト風土”と呼ぶのだと、須賀さんが教えてくれた。

地方のダレた空気や、ヤンキーとファンシーが幅を利かす郊外文化…

田舎町を抜け出したものの、何者にもなれず幸せも見つけられないまま、また元の田舎町に戻って、とうとう30歳になってしまったんだから。

 

 

なんていう「あるある感」なのだろう?

地元を忌み嫌いながら、ここに舞い戻って来た主人公たちが繰り広げる日常。

「あの頃はよかった」と幻想を追いつつ、当時の人脈を追っても、同じ輝きは再現できない。折り合いをつけたのか、屈服したのか。

 

20歳も年下の人の作品だが、私には共感できるところが山ほどある。

ここは退屈迎えに来て

ここは退屈迎えに来て

 

小銭をかぞえる

昨年の芥川賞作家・西村賢太さんの受賞前の作品。

彼が、年末の「平成教育委員会」の回答者として出場していたとき、不正解が多く、それも狙い通りを外さない、サービス精神なのかなと思えた。

短編が2作品。

「焼却炉行き赤ん坊」を読んでいると、そこそこの幸せこそ彼の重荷なのだと思える。

破壊的で自虐的、女との生活を維持しようとすることそれこそが「分不相応」に思えて崩壊に向かわせる何か。

ペット好きな女性が、せめてものぬいぐるみに命を通わせるのが鼻につく。

DVの挙句、女性に臨界点に達した叫びを逆手に取り「うるせえ、お前に立場なんかあるものか!」と口走る。最低です。それを書き連ねていくのでしょう。

借金精算のために、嘘に嘘を重ねる「小銭をかぞえる」。

その一方で、師であり、創作の源でもある藤沢清造に対する出費は「別物」であり、女性には理解できない行動。女性にはというより、大金持ちでない限り、寛容にはなれないであろう。

石原慎太郎さんが激賞していたが、彼にだけは評価されたくはない。

小銭をかぞえる (文春文庫)

小銭をかぞえる (文春文庫)

 

 

レ・ミゼラブル

若い頃、日本初演のミュージカルを観た。

鹿賀丈史のジャン・バルジャン、滝田栄のジャベール、岩崎宏美、斉藤晴彦、野口五郎、山本耕史など、錚々たるメンバーのアンサンブル。メロディーが印象深く残った。

そして今回、ヒュー・ジャックマンラッセル・クロウの対決。予告編から、必ず観ようと思っていた。

正月休み明けのレディース・デーには、「解放されたミセス」が多く足を運んでいた。

冒頭のシーンから、度肝を抜かれる。あんな作業を「人力」でしかも「懲役」としてするものなのか。パン一つを盗んだ罪でここまで。

テナルディエ夫妻の狡猾さが「パンク」かつ「スタイリッシュ」に見えたりするのもおかしい。主要な登場人物が、自己の正当性をこれでもかと主張する重さに、人間のおかしみを添えている。

不覚にも涙を拭っていた。特に、ジャベールの最期。

ふとした会話も、旋律に見事にのっている。タモリがいうほど、不自然ではない。

「静かにしないと、みつかっちゃうよー!」と思えるシーンで、歌いあげているところもあるけど。

 公式サイト

http://www.lesmiserables-movie.jp/

 

 

 

64

 

昨年ベスト1という評価の高い本で、図書館でもまず借りれないと思い、アマゾンでポチっと購入。

昨日夕方から読み始めて、結局、深夜まで読み続けて読了。

ある県警の広報を担当する主人公・三上。

「宮仕え」なので、今置かれている位置で、それまでの評価、今後の処遇、同期とのランクなど、見えてしまうところが大きい。

娘の出奔の一因が、父親として理解の範疇を超え、それに翻弄される妻を支えきれなくなりそうなときもある。

実名公開の是非が重要なカギになっており、記者クラブとの熾烈なやり取りも見逃せない。

美雲という女性部下への扱いも考えさせられる。「女性」だからこそかばう主人公。

かばわれるのをよしとしない美雲。

作者の横山秀夫さん、昨年、講演会で拝見したが、病気で苦しんでいたとは思えなかった。このレベルの作品を、これからも数年に一度でいいので、出し続けて欲しい。

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)

母の遺産-新聞小説

こんなにストライクでタイムリーな小説があったなんて!

主人公・美津紀は50代の子なしミセス。

家計は、相当に恵まれている。

わがままな母の介護、姉との確執、夫婦関係。

読売新聞の土曜版に連載されていた、本物の「新聞小説」。

何世代にも渡るエピソードが、縦横無尽に連なるが、その積み重ねが、主人公に再出発の後押しをする。

Gメール、ウェブアルバムのリンクなど、母が読んだら「わからない」言葉も出てくるが、母に読ませるべきか、相当・・・悩みます。

母の遺産―新聞小説

母の遺産―新聞小説