leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『あちらにいる鬼』井上荒野

 

あちらにいる鬼

あちらにいる鬼

 

 図書館の予約が殺到し、待ちきれなくなり購読。

著者は作家・井上光晴の娘。彼は美人で聡明な妻と二人の娘と暮らしながら、長年、瀬戸内寂聴と不倫関係にあった。父親が死を迎えるまでの日々を、娘が描く。

井上光晴、魅力的な男性だったと思われるが、#Me tooが叫ばれる現代であれば、アウトな男。正妻にも不倫相手にも「許されている」と独善的な振る舞いで、挙句の果てはカルチャー文学講座の生徒にも手を出してしまっている。

瀬戸内寂聴さん絶賛」と帯にあるのだが、「嘘でなく」描かれていることを「絶賛」しているのか、文学的な価値を高く評価しているのか、どちらだろう?

瀬戸内寂聴さんが、人生相談の名人と崇められているが、本作を読むと回答者としてはどうなんだろう? やはり人生の悩みは、悩み尽くして最終的には自分で解決策を見出さないと。