leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ


すばる文芸賞を獲った新人の話題作。
高校生のキラキラした「ああ、そういえばこんな気持ちだったっけ…」と思わせる会話と文体。
「真っ白なキャンパスを何色にでも染められる」という校長の美辞麗句の元、実は、自分の立ち位置も、顔を上げる方向も定められず、浮足立つ日々。
高校生には、部活という世界が、今も昔も、大きなウェートを占めているのでした。
親の離婚、再婚が何故か同時期に起こる家庭も多く、そんな「大人社会」の事情がわかるはずもなく、それに巻き込まれていく高校生。
不機嫌な気持ちを家庭か学校でリセットできればいいものを、それができずに、増幅させてしまい、翌日に持ち越してしまったりする。
カラオケで楽器練習、木管のパート練習くらいだったら、許されそうな気もします。
映画部、そういえば、私のクラスにもいましたっけ。今だったら、簡単に動画が撮れるのでしょうが、昔は、大きな機材を調達すること自体が大きなハードルで。
筆者は現在、早稲田の大学生。卒業直後で、記憶が薄れず、他の世界にまみれる前に、この話を書きたかったのでしょう。