浅草公会堂で、若手が芸を競う「新春浅草歌舞伎」昼の部を訪れた。
亀治郎さん主演、東太夫さんが義太夫の「一條大蔵譚」が一番の見もの。
以前、勘三郎さん襲名記念で、同じ演目を観たが、それに比べ、「頭が良すぎる」大蔵卿でございました。
大河ドラマ「篤姫」と似ている「アホ」を演じる殿様なのだが、その落差が大きくない。クイズ王の片鱗が見え隠れしてしまうような。
３階席の後ろから２〜３番目の席だったので、動きが大きくみえなかったせいか。
道化ぶりの所作に、「弾ける」ものを感じないのだった。
２幕目の「土蜘（つちぐも）」、背伸びをしていたのか、重厚に演じよう、演じようとする余り、勢いが感じられなかった。
数年前に訪れた浅草歌舞伎は、もっとフレッシュな感覚で、客との空気も和んでいたような気がする。
役者と客に緊張関係を強いるのが、偉くなった証しとは勘違いしないでほしいものだ。
公会堂までの沿道をもっと楽しむべきだったか。
往復が連れのお陰であっという間で、まったく疲れなかったのだが。
東太夫さんも、相変わらずのテンションで、来月は、大阪松竹座だとか。
そちらには、獅童さんも愛之助さんも出るのよね。顔を揃えてほしかったわ！
