leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

私は外務省の傭われスパイだった

私は外務省の傭われスパイだった

私は外務省の傭われスパイだった


市の図書館のサイトで新着資料を検索していたら、この本が新しく入荷されていたにも関わらず、貸し出されていない。早速ポチっと「予約」にマークを入れ、夕刊をポストに取りにいくついでに本を借りに出かけ(徒歩1分)、夜、読み終えてしまった。
母親が、長野県出身の中国残留孤児で、中国で育った彼は、日本に帰国し(彼にとっては初来日にあたるので、この『帰国』という用語がおかしいと本書では指摘)日本で中国人と日本人を結ぶ新聞を編集発行。
しかしその幅広い人脈に目をつけた外務省は、「日本のためですから」と彼をあおり、重要情報の入手を要請。
人事により担当が替わっても、彼への接触は続き、「生のデータが入手できないか」と要求はエスカレート。
ついには、中国から日本への飛行機へ乗ろうとした途端、中国当局に拘束される。
「身の安全は保障される」はずだった外務省は、彼を裏切り、8年という長い歳月、中国で服役に。
麻生外相が国会で「彼は日本人だ」と認めたものの、外国での邦人保護という外務省の役目は何一つ果たされなかった。
そして外務省も、この事実をうやむやに葬ろうとしていた。
彼が小学館ノンフィクションに応募してでも、この事実を一冊にまとめなければ、この事実が語られることはなかった。
巻末に佐藤優さんとの対談で、外務省のシナリオが見え隠れする。
こんなことが「現代日本」でまかり通っているとは。
北朝鮮の拉致問題が解決しないのも、外務省がポリシーを持った外交をしないからだろう。
2年程度で大臣がコロコロ変わるのもその一因か。
それにしても、上を見ても下を見ても「自分の頭で考え、判断し、行動し、意志を貫くこと」がしにくい世の中なんだろう?