オウム真理教の特別手配犯が遂に逮捕され、麻原は真実を語ることなく死刑の執行を待ち、東電OL殺人事件は、ゴビンダ・マイナリ受刑囚に再審の扉が開き帰国、等々、1Q84が再読したくなる要因が重なった。
時間ができたこともあり、3冊を通読。1週間かかったかな?
オウムだけでなく、ヤマギシの会、エホバの証人を想起させる。
「さきがけ」と「あけぼの」は、学生運動のセクト化、連合赤軍事件。
女主人は「傷だらけの天使」の岸田今日子さんを彷彿とさせ、「空気さなぎ」と「リトル・ピープル」は、『わかったふり』をして読み進めないといけないのかもしれない。
青豆と天吾も、生きていたらもう50代後半。二人の子ども(ふかえりを媒介とした)は何になっているのだろう?
ふかえりの父は、BOOK3で、いきなり「リーダー」になっていたので驚き。
もう少し、丁寧な描写があってもよかったのではないか?
編集者の小松は、処世術に長け、「空気さなぎ」の一件などなかったかのように、出世しているかもしれない。
BOOK3で、性急に大団円を求めすぎたという書評を覚えている。
しかし、最後の最後に、辿り着いた二人の運命を、読み手は3冊を通して追いかけることができる。
優れたエンターテインメント。
とりあげられた音楽(クラシック)も聴きたくなるし、DV、サヴァン症候群、満蒙開拓団など、この本を通じて「知りたい」アンテナを刺激されるのだろう。
天吾が、死期迫る父親の枕元で、朗読をしていた場面も、たまらない。
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