leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

ヒトラーの贋札

2007年公開のドイツ・オーストリア共同制作映画。
おくりびと」の前年に、アカデミー外国語映画賞を受賞。
ドイツ・ヒトラー政権時に、ユダヤ人強制収容所の中に、ユダヤ人による贋札作成チームが編成された。
精巧なイギリス・ポンド札を完成させ、ヨーロッパで流通させることに成功し、イギリス経済を戦後もなお混乱に陥れた。
アメリカ・ドル札は未完のまま、敗戦を迎えた。
これは「ベルンハルト作戦」と呼ばれ、ユダヤ人チームの生き残りが、戦後、ジャーナリストとなり、手記を執筆。
この映画の原作となった。
自分が、チームの仲間が生き延びるためには、支配者の命令に屈しなければいけない。
チーム内だけは、食事もベッドもシャワーも特別待遇。
反抗すれば、ガス室に送り込まれるかもしれないという極限状況の恐怖。
チーム内の葛藤。
「ユダヤ人はずる賢い」とドイツ人にさげすまれながら、手先の器用さ、インクや紙の成分分析など、ユダヤ人の明晰な頭脳が、日々の命をつないでいた。
「ドイツ人指導者と、友情が芽生えた…」と指導者側はきっと思いこんだだろう。
どんな気持ちで終戦を迎えたか。
どんな態度で、一般社会に戻ろうとしたか。
胸に迫るシーンの連続です。
「ああ、きっとこの人が、原作者なんだ」とわかります。

ヒトラーの贋札 [DVD]

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