



2009年6月に亡くなったマイケルが、キング・オブ・ポップとして絶頂期を迎えていた1988年に、唯一の自伝として発行され、日本語訳は田中康夫(なぜ?)が担当。
ブックオフで購読。
同じ年に発表された映画「ムーンウォーカー」がケーブルテレビで上映されていたので、併せて観て、マイケルの世界に浸りきることができた。
10代の頃からマイケルの声に親しみ、いちばん好きだったLP「Off The Wall」は、当時よく口ずさんだ。
私とは2つしか年が違わないのに、5歳の頃から芸能界でスポットを浴びた。父親が厳しかったことにも触れている。家庭教師やダイアナ・ロスが、彼に広い教養を与え、モータウン時代や移籍の経緯、ソロでの苦労が語られている。
この自伝が出版された後に、豪邸ネバー・ランドに引っ越し、数回の結婚や虐待による裁判があるのだが、それ以前の自伝なので、わかったのは、整形疑惑に答えているということか。
最後まで、スターの自伝というトーンで、落ち込むことがなかったのが幸い。
1978年新潟県で北朝鮮に拉致され、24年後帰国した蓮池薫さんが、岩波書店『世界」の連載に応じ、北朝鮮による「マインドコントロール」「革命教育」「拉致問題」の全貌を、つぶさに描き出している。
同世代の自分には、学生運動や留学が「縁遠いもの」「怖いことに巻き込まれる」というイメージを植え付けられたのも、この拉致問題があったから。
その後、少しずつわかってきた北朝鮮での生活や真実が、北朝鮮という一国の「閉塞感」をきわだたせている。
本書にもあるように、拉致計画はずさんな計画で、目算通りにいかなくなったことに加え、北朝鮮指導部の代替わりや抗争に拉致被害者は振り回され、「なかったことに」したいのか、死亡の詳細や遺骨までもねつ造している。
小泉訪朝当時に比べ、北朝鮮との政治的なパイプも細くなるばかり。
今の高校生全員に「必読図書」として読んでもらう価値があると思える一冊。
2日(火)母の通院の付き添いの帰り。横浜市民は9月の軍港めぐりが半額になる。汐入まで移動。2時からの便を予約していたので窓口で確認すると、12時からの便にまだまだ空席があるらしい。手続きして初めて乗船。
亡き父は、横須賀海上自衛隊の自衛官だった。自衛艦隊司令部も見えた。
イギリスの空母「プリンス・オブ・ウェールズ」も遠くに見ることができた。
ガイドによると、いつもより多い「軍艦」が紹介できたのだとか。
軍港めぐりのチケットで、お土産が当たるプレゼント企画が実施されていたが、当選番号が判るのは、お土産売り場。そこへ誘導するための工夫か。船内で、海上自衛隊船艦名の入ったレトルトカレーが紹介されていたが、これも高めの価格でパス。
父が作ってくれた海上自衛隊仕込みの具だくさんのカレーが、私にとっての「軍艦カレー」。
軍艦めぐりのフォト・アルバム
(冷房の効いている1階の船室から撮ったので、ガラス映りはご容赦を)
https://photos.app.goo.gl/ss7aDaSSPvBh2tsb7
こんなYoutubeも見つけました。
1981年にフジテレビで放映された『北の国から』全24話。
学生だったので、当時のオンエアを観ていない。ビデオもなかったので。
今回初めてビデオに録画して、1.2倍速で視聴。幼馴染も『観ている』と電話で盛り上がる。異常な夏の最良の過ごし方か。
純のつぶやきは毎週どこで収録していたのだろう?スタジオではないな。脚本家・倉本聰の富良野の自宅かな?
今年の夏は、日本中クマの出没に怯えたり、山林火災に注意が必要だったり、雷雨や暴風で被害が続いたり。『北の国から』の自然を単に「美しい」とか「懐かしい」とは思えなかった。特に純が乗っている車が雪に埋もれて死にそうになったり、蛍が手紙を追って川沿いを走り行方不明になったり。ドラマだからよかったけど。と思えるシーンがいくつか。
分校の先生のUFO騒ぎも結局中途半端だった。直後にスピルバーグ監督のドキュメンタリーを見たので、あの雰囲気を醸し出したかったのかも。
その後の特別編は何本か観た記憶がある。
印象深い役者さんが多く出演されていたが、多くの方がお亡くなりになっている。
第173回芥川賞候補作。受賞は逃したものの、文藝春秋九月号で、4作品の候補作の中からこの作品だけ取りあげられている。
表紙にも題名は印刷されず、「受賞作なし」は、直木賞と共に、ニュースにもなった。
筆者は、1984年生まれ。2007年に外国語指導助手として来日。2017年に同志社大学で国文学の博士後期課程を修了した、現在、法政大学で准教授として教鞭を執っている。
本書は文藝春秋から、単行本として出版されている。「芥川賞受賞作」とあれば相当なセールスが期待できるだろうに。しかし「軌道」という日本語らしいタイトル、物語性に欠ける場面転換、唐突にも思えるアポロ計画の挿入。編集者がもう少しアドバイスできれば、改善されたのではないか。母語ではない意思疎通の隔たりがどこかにあったのでは?
「徒費する」という日本語にも本書で初めて出会った。
フリガナもなく、意味を想像できるものの、この言葉を受け入れるにはハードルが高かった。
村上春樹さんが英文学の日本語の翻訳を多く手がけている中で、短編の息づかいを会得したように、日本文学の息づかいをもっともっと深掘りしていただければと思う。

以下はFacebookにもアップしたもの。
昨夜、八月歌舞伎座第三部「研辰の討たれ」を観に行きました。3階B席最後列で。
8日に伺った第一部は、お知り合いからお誘いいただいた招待券の1階席。東太夫さんの出演は、全くの偶然。
それ以前から、昨夜のチケットを入手していました。
20年前に野田秀樹さんが、亡き中村勘三郎さんに口説かれて実現した舞台。三津五郎さんも既にお亡くなりになり、舞台は、ほとんどが子世代に。舞台まで下りてくる義太夫も清太夫さんから谷太夫さんになっています。からくり人形は、ずっとそのままの片岡 亀蔵さん。姉妹役は、以前は福助さんと扇雀さんだったんだな~。
勘三郎さん時代のDVDを持っていたので、自宅でしっかり予習。
筋書きを買おうかとも思ったのですが、上演中の客席はほとんど暗く、配役も筋も終えない。買わなくて正解でした。
随所に織り込まれるギャグや俳句も、20年前そのままのものがほとんどで、「懐かしい」か「わからない」かは、判断が難しい。
アドリブかもしれませんが「何もしない野田秀樹」というセリフがありました。20年前を残そうとしているのか?
どんどん変えてもよかったのに。と思えましたが…。
映画「国宝」ブームの余波なのか、8月は2部も3部も全席売り切れ。