leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『さざなみのよる』木皿泉

 

さざなみのよる

さざなみのよる

 

 木皿泉の本が、新作でないせいか図書館で予約できたので。

ガンを患った『ナスミ』をとりまく人々の気持ちを丁寧に掬い取っている。

それぞれのエピソードに、『袖振り合うも他生の縁』とも言える「さざなみ」が読み取れる。

『ナスミ』自身、結構ハードな人生を送っていた。

誘拐されそうになったり、気がついたら上司をなぐっていたり。

正義感のなぜる技が、「これにて一件落着」とはいかない不可思議さ。

彼女との「邂逅」こそ、残された者の賜物なのだ。