ダニエル・デイ・ルイスがアカデミー主演男優賞を獲ったとき、テレビで観ていた。
劇場公開時も観る機会がなく、BSで録画したものを初めて観る。
イギリスの貧しい子だくさんの家で育った小児麻痺で左足しか自由にならない主人公が、絵と自伝で成功し、パートナーを見つけるまでを描く。
その直前に、大泉洋さん主演の『こんな夜更けにバナナかよ』を見始めたのだが、こちらは挫折。
何が違うんだろうと考えると、本作は家族の本音に囲まれているが、大泉さんは、ボランティアにケアされるのを当たり前に指示側に回っている。大人しいカップルがそのネットワークに絡めとられるのを見ていられなくなってしまったのだ。
本作は、主人公も周囲も、苛立ちをストレートに表現する。
そのぶつかり合いを経て、ステップアップするのだ。
ダニエル・デイ・ルイスはその後3回もアカデミー主演男優賞を獲っている。
役になりきり、セレブ的な行動はあまり伝わってこないのも好印象。