leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『偉大なる夢』『猟奇の果』江戸川乱歩

 

偉大なる夢 (江戸川乱歩文庫)

偉大なる夢 (江戸川乱歩文庫)

 

 

 

猟奇の果 (江戸川乱歩文庫)

猟奇の果 (江戸川乱歩文庫)

 

 図書館の新刊一覧を眺めていたら、江戸川乱歩文庫があり、この2冊を予約してみると、比較的早く手に取ることができた。

出版元の春陽堂書店を調べると、明治からある老舗出版社で、木版の挿絵や装丁に優れていたらしく、この文庫本の表紙も、味わい深い。

内容は、残念ながら2冊とも、編集者の無理な依頼による展望のない書き出しで、特に「偉大なる夢」は、戦中の制限を受けており、愛情表現も「見つめあう」とか、「瞳を潤ませる」が最大限。

しかし、活字が貴重だった時代に、「この先はどうなる?」と読者を飽きさせない筆致には驚かされる。