leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『鍵のない夢を見る』辻村深月

 直木賞受賞作の文庫版を図書館で借りて。

鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見る (文春文庫)

 

 こんな小説が読みたかったのだ。

青春小説でも恋愛小説でもなく、生身の女性が触れるほどに描かれている。

「ヒロイン」はいらない。

等身大の危うさや身近な体験の掘り起こし、思い出の宝箱に入っているそれぞれが時を経るにつれ、違った色の輝きを見せることがある。

巻末に同郷の林真理子との対談が掲載されている。音楽も文学も、好きなものばかり読んでいては陳腐になる。時折新しい風を採り入れないと。