leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

アブナイ漢字の謎に迫る

以前、横浜開港資料館の企画展「宣教医ヘボン」で、展示されていたヘボン先生作成の「和英語林集成」初版でAbunai(アブナイ)の漢字が「浮雲」とあり、「おかしいな~、冒頭ページから誤植なんて(-_-;)」とずっと悩んでいた。

 

 ネットで調べたところ、江戸時代から明治にかけて「浮雲」をアブナイと読むのは一般的だと判明。

おしゃれでないの~~! 二葉亭四迷の「浮雲」も心の危うさが描かれたものだそうで。

 

 次に疑問だったのは、初稿の元となった手稿(ヘボン先生の手書きメモ)の「浮雲」の傍にあった「阽」という文字。こんな日本語あるのか???

http://www.meijigakuin.ac.jp/mgda/main/waeigorin.cgi?lang=&book=0301&page=6&zoom=1&index=1

(明学のデジタルアーカイブスで、手稿から10種の改訂版が調べられる)

 

という疑問を抱いたまま、企画展の特別講座「資料にみるヘボンと横浜」に出席。

講師は東洋大学准教授の木村一先生。

 

 「Abunai アブナイ 浮雲 Dangerous, take care」という項目について「浮雲の当時の読みがそうだった」と触れてくださったのですが、阽には触れられず、終了後講師に質問したところ、ヘボンが手稿を作るにあたり漢字の参考にした『雅俗幼学新書』を写したのではないかとのご説明。間違って写した可能性も大きいらしい。

 

『 雅俗幼学新書』を観てみたい。古本なんて、入手できないし・・・。ナント国立国会図書館デジタルのページにありました! 「阽 アブナシ アヤウシ」と。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1089371

178コマにあった~!ヘボン先生、これを参考になさったのね!

講座に参加しなければ、ネタ元がわからなかった!

 

この漢字を調べると、

http://moji.tekkai.com/zoom/%E9%98%BD/page.html

で、今でも「あやうい」とも読む「漢字」であることが判明。日本語だったんだ(*^^)v!

 

この謎ときのお陰で、ヘボン先生への親しみがまた一つ増した気がします。