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leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

『母の遺産 新聞小説』の著者の講演会

第39回大佛次郎賞受賞記念講演会が関内の開港記念会館で開催され、『母の遺産 新聞小説』で受賞した水村美苗さんの話を伺って参りました。

母の遺産―新聞小説

母の遺産―新聞小説

 

小説なのですが、お母さまのこと、お姉さまのこと、横浜の高台にあるご親戚のことなど、事実を「新聞小説」にして、読者の間口を広げ、この賞を受賞するに値する見事な筆致。

講演会のことは、新聞で知り、メールで応募し、数日前から本書を読みなおしたところ、私の「今」を取り巻く状況に、あまりに似ていることに驚き。

母の言動に翻弄され、姉との関係に神経を削る。

この講演会、質問の時間が多くあり、思い切って私も挙手。「私にも姉がおります。女性同士の関係性について、思うところをお聞かせください」と。

お答えは、「姉とは、女性同士でよかったと思います。母のことも分担できたし、アメリカに渡ってからは、日本語で会話する相手として、本当に貴重だった。男ではこうはいかなかった」と総じて肯定的。ドロドロしている状況を抱えている私には、気が抜けましてしまいました。

行き帰りに、残りを読もうと思って持参していた本に、サインをしてくださるということで、列に並び、質問のお礼を述べながら、サインをしていただきました。

「男性の方が多く質問されたので、ありがたかった」と。

この小説にも登場するお母さまが、小説講座に入り「高台にある家」という横浜のご親戚のことを書いた文章を手直ししていったのが、本書を書くきっかけになったそうで、その『高台にある家』という本も、講演後に販売されていたので、購入しました。

「横浜は、西洋(世界)への窓口を象徴しているという認識をようやく得ることができた」というお話に、横浜での講演会に足を運ぶ意義があったと思えたのでした。

高台にある家 (中公文庫)

高台にある家 (中公文庫)