leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

小銭をかぞえる

昨年の芥川賞作家・西村賢太さんの受賞前の作品。

彼が、年末の「平成教育委員会」の回答者として出場していたとき、不正解が多く、それも狙い通りを外さない、サービス精神なのかなと思えた。

短編が2作品。

「焼却炉行き赤ん坊」を読んでいると、そこそこの幸せこそ彼の重荷なのだと思える。

破壊的で自虐的、女との生活を維持しようとすることそれこそが「分不相応」に思えて崩壊に向かわせる何か。

ペット好きな女性が、せめてものぬいぐるみに命を通わせるのが鼻につく。

DVの挙句、女性に臨界点に達した叫びを逆手に取り「うるせえ、お前に立場なんかあるものか!」と口走る。最低です。それを書き連ねていくのでしょう。

借金精算のために、嘘に嘘を重ねる「小銭をかぞえる」。

その一方で、師であり、創作の源でもある藤沢清造に対する出費は「別物」であり、女性には理解できない行動。女性にはというより、大金持ちでない限り、寛容にはなれないであろう。

石原慎太郎さんが激賞していたが、彼にだけは評価されたくはない。

小銭をかぞえる (文春文庫)

小銭をかぞえる (文春文庫)