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leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

ドキュメンタリー

明治学院大学戸塚キャンパス公開講座「歴史と現在」
第10回 平野勝之×高橋源一郎

主催者の原先生と二人が舞台に登場したとき、会場から「帽子を取れ」という野次が。
それに応え、ゲストの平野氏は帽子を取る。
(これって、どうなんだろ? 他のトークショーでは、監督は、帽子を被ったまま。ハゲ隠しのために、帽子を被ったままのおじさまもいる。JUJUや皇族には、「帽子を取れ」って、きっと言わないだろうに。-リーフ)

平野勝之−1964年生まれ。静岡県浜松市出身。映画監督・AV監督。元漫画家。

アマチュア時代から、8mm映画を自主制作。ぴあフィルムフェスティバルの常連。
シネマユニット・ガスの社員監督を経て2004年フリーに。
主な作品に
『狂った触覚』
『人間らっこ対かっぱ』
『自転車不倫野宿ツアー 由美香』
『白 THE WHITE』
『東京〜礼文島41日間 自転車ツーリングドキュメント わくわく不倫旅行 200発』
『同棲中の彼氏が出かけたスキに自宅でハメれるか?』

高橋源一郎との共同作品に『昼下がりの乱れ妻たち 序章〜第三章』がある。


高橋−このような公開講座はとても大事。大学は何のためにあるか?と問われたとき、以前、ハーバード大学で滞在教授だった鶴見俊輔は、何もせず、大学の食堂で昼食をとり、無駄話を交わし、生きている姿を見せるのも教育だと記した。
本では読めない、その存在そのものが驚きであり、なかなか会えない人を招待し、見せることが公開講座のいいところ。
今日は、そういう意味で僕の隠し玉です。

平野さんは、映画監督でもあり、アダルトビデオの監督でもあります。これを分けるのは変ですか? 差別になりますか?

平野−当初は日記映画のようなもので、ドキュメンタリーは見たこともなく、そんな意識はなく、個人的なことを徹底的に利用していたので、自分が出てくるのはしようがない。

人妻ものを撮っていたときは、本物の人妻とてもおもしろく、登場した妻たちは、「AV出演により家庭が幸せになる。発散でき、お金にもなるのだから」と答えていた。そんな人妻たちを高橋さんに見せてあげたかった。

16歳のとき、漫画『ゲバルト人魚』でデビュー。大友勝洋(AKIRA)と同じ編集者が着いたが、映画に転向。80年代AV監督に。
90年、林由美香を最初に撮った『由美香の発情期』は失敗作で、その後20年間で100本以上のAVを撮る。

その後の方法論の原点ともいえる『21歳』を会場で紹介。

その前作、下水道で羞恥プレイ?をさせて、泣かせた女優4人の中の一人に目をつけ、自宅に「次の仕事」と称し呼び出す。
飲み続ける間に、行為に至ろうをするも、女優が別れを告げてきた彼氏に電話をかけ、目の前で手首を切り出す。
彼氏を脅してよりを戻そうとするが、一方的に電話を切られる。
半狂乱の女は、監督に「彼氏に電話して」と懇願するが、つながった電話をその後監督の方から「今、仕事中ですから」と切る。
(会場内から失笑)
女は、妊娠2ヶ月をほのめかすが、彼氏の心は戻らない。
ついに、目の前の監督と女は・・・。

高橋−演技なのか、リアルなのか。普通の演技だとここまでできない。真実の瞬間、特別な瞬間をつかむのが、監督の作品の特徴。

平野−自己陶酔ともいえる。自分のイメージにあてはめようとすると無理。イメージにおしこめようとしているだけ。
何もしていないから、演出もしていない。
アドリブを繰り出すジャズミュージシャンと同じ。

以前は、レンタルビデオが300円で、ハズレても笑って許してもらえたが、今のAVは、実用的でないと(抜けないと)駄目。

『監督失格』予告編を紹介。

平野-人が死ぬということとは? 生き延びることとは? を描きたかった。

高橋-演技する人が映っていることと、生身の人間が映っていることとは、本当は一緒なのではないか?ドラマなのか事実なのか、観客が判断することだろう。

平野-分類は不能。若い人には、これを突破口に、まったく違う方法論で映画を制作してほしい。

(会場からの質問)

台本を書いたことは?-書いたことがない。せいぜいメモ程度。テーマと設定のみ想定し、あとは、猟師が猟に出て、獲物を捕まえてくる感覚。

好きな映画は?-『ジョーズ』、『2001年宇宙の旅』など。ヒッチコックから場面をぱくることもある。