leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

乙女の密告

乙女の密告

乙女の密告


芥川賞受賞作品です。
「なぜ、お前はまだ芥川賞を取らないんだ?」とは、ダンナの究極の捨て台詞。
作者の赤染晶子さん、私の生まれた街でもある舞鶴出身なのですね。
文藝春秋で、本作より前に「血を吐いて小説を書いていきます」という一文に、なんて気負っている人なのだろう?という印象を持ったのですが、作品を最後まで読めば納得。
どこの世界も、3人以上の女性が集まると、「派閥」という現象がどんな政党よりも頻繁に起こるわけで。
3人のうち一人だけ知らないできごとが生じれば、「私だけ知ら(され)なかったんだ〜」ということになる。
本作は、ほぼ女子ばかりの大学でのドイツ語ゼミで、アンネの日記の一節を暗唱する課題が出されることが発端。
厳しい教授(でも変人)や先輩に翻弄され、主人公は疑いをはらそうとする。
結論がストンと腑に落ちなかったのは私の修行の至らなさか?
私も大学1年の英語の授業で、1ページずつを全員が暗唱するという課題が出されていた。
いちばん後ろの席で、他の人の発表中は、まったく注目していなかった。
それでも自分の発表の順番が来ると「間違えたらどうしよう?」とドキドキ。
自分が考えているほど、周囲はすべてのことについて気にしていない。
そのころから現在まで、ずっと同じこと…なのだが、結構気にしている自分を持て余しがち。