leaf's blog

記録しておきたい文章を綴ります。

舘野泉さんのピアノコンサート

地元で、「左手のピアニスト」舘野泉さんのピアノコンサートが開催された。
県の催しで、広報がイマイチだったせいか、空席が目立つ。
それでも、私の席は、鍵盤での左手の動きがはっきりと見え、そこを中心に、席が埋まっていた。
地元の楽器店の100周年も兼ねた記念コンサートで、舘野氏の演奏前に、3名のコンクール受賞者(娘さん)が演奏した。
「せっかくピアノをさせるのであれば」と親は、晴れの舞台に気合いを入れるらしく、服装、ビデオ撮影など、リーフの頃とは大違い。
そして舘野氏登場。
ひと言も発することなく、マイクも用意されておらず、それでも、一挙手一投足に固唾を呑んで聴衆は見守る。
2002年に脳溢血に倒れ、右がマヒしており、歩行も少々不自由な様子。
それでも、詩情豊かな曲が彼の左手から紡ぎだされ、演奏後の少々の沈黙と彼の紅潮した笑みに、惜しみない拍手が注がれる。
独奏時は、譜面をめくるのも、彼の左手。
連弾になり、ようやく譜面係がつく。
連弾では、ベース部分を専ら担当していた。
cobaさんの曲では、あり得ないほどの低音部を響かせていた。
誰もが一度は観ておくべき演奏と思えた。